女性の薄毛と洗い過ぎとの関係
育毛物語を読んで~常在菌は皮脂が好き
「育毛物語」は2005年10月5日が初版です。
今から約12年前・・・の情報ですが、読んでみると尚現状を把握できることもあり、また実践潜入ルポなので大手育毛サロンや病院、石鹸の会社などを訪問された記録が今も生々しく感じます。
今回はその中で、石鹸と皮脂と常在菌について書かれている感想です。
合成シャンプーと複合石鹸と純石鹸
「育毛物語」著者が取材に行かれた大手メーカー「太陽油脂」さんでのお話し。
著者の双田さんは、石鹸を使うつもりで見に行ったところ売っているのは「合成界面活性剤」が入っている複合石鹸ばかりだったそう。
今でこそ、いろんな純石鹸やハーブの入った手作り石鹸などがキレイに並べてありますが、このころはやはり商品群はそのようなものが多かったのですね。
やっと見つけられた脂肪酸カリウムまたは脂肪酸ナトリウムを使った「純石鹸」も、ハンパなくきしんで使いづらいったらなかったそうです。
太陽油脂酸でのお話し
多くの市販のシャンプーには、ラウレス硫酸ナトリウム(別名ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)という洗浄剤が主要成分として配合されている。
これは一部の育毛サロンにも見られたとおりだ。この成分は確かに、台所洗剤(あるいは洗濯洗剤)の主要成分でもある。
化粧品での表記とは違って、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムと表記されるが、まったく同一のものだ。
台所に使われているということは、石鹸だっておなじである。
「けれどもね、石鹸と合成洗剤だと、もうまったく性質が違うんです。」長谷川さんによると(※太陽油脂の担当者の方)、すぐに石けんは石鹸カスになって洗浄性を失ってしまう。
略 「だからすすぎが速い、髪や肌に残りにくい。水であっという間に効果がなくなっちゃうからです。
これに対して、合成洗剤はね、そもそもミネラル成分の多い硬水が基本の欧米で、工業用洗浄剤として使用するために、石鹸カスになりやすいという石鹸の性質をあえてなくそうと開発されたものなんだ」つまり合成洗剤は、水道水のミネラルと反応しにくく、石鹸に比べるとすすぎに時間がかかる。つまり肌や髪に残りやすい。
育毛物語 双田譲治ヘアージャーナリスト 著
石けんが自然に優しいことも、よくわかりますが、きしんだりとシャンプーとして使いづらい点はあります。
そんな場合も「クエン酸のリンス」を髪につければ解消する(石鹸がアルカリなので)らしいのですが。
髪をコーティングするわけではないので、PHを変える、弱酸性の水ならなんでもよいそうです。
アミノ酸系シャンプーにも入ってる
女性誌で愛子さまがアミノ酸系シャンプーを使われていることに対して、
「あれはね、よくないんです。分類でいえばアミノ酸系とか、あとベタイン系とかいうものは、両性界面活性剤っていう部類にはいるんですがね。
もともと、洗浄助剤で手触りとか改善するために入れられていたものなんです。
結局こういうのはトリートメント効果とかがある分、頭皮に残留します。一見みずみずしい感じがするでしょ。あれが結局くっついているんですね。肌に。
しかも肌と同じ弱酸性だから、残りやすく徐々に身体に浸透していく。だからもっといけないんですよ。」さらに「しっとりするとかいうのは、肌に界面活性剤が入ってしまうために、そんな風に思わされているだけなんですよ。
肌の中で水と脂が乳化しちゃってる!ダメなんですよ!女性で髪の薄い人いっぱいいますでしょう?朝シャンなんかもするもんだから、肌が傷んじゃっているんですよ。」
そのように文中でその時の会話を書かれていますが、やはり薄毛の一因になりうるのかと思われますね。
石けんと皮脂と常在菌
―で、長谷川さん(担当者の名)どのくらいの頻度で頭洗ってますか?
「私ね、週に2回です」
―毎日洗うべきとよく言われてますが・・・。
「いや、毎日洗う必要はないですよ」
長谷川さんは皮脂の重要性を話し出した。
いわく・・・誰の肌にも常在菌というものが存在している。
この常在菌は、皮脂の一部を分解して脂肪酸とグリセリンにし、汗と相まって弱酸性の皮脂膜をつくる。
この皮脂腺が、ほかの有害な菌の繁殖を防ぐ。
だから、皮脂はめったに取るべきものではない。洗い過ぎは常在菌を失わせることになり、結果的に肌のバランスは崩れ、健康が保たれなくなる。
「むかしだって、そんなに洗ってなかったでしょ。洗い過ぎはよくないです」
商品を売る側とは思えないような良心的な台詞で、太陽油脂の取材は終了。
洗浄剤としての石鹸の株は大いに上がった。ただし肌にあうものを探す手間や努力はかかる。
こうなると、合成界面活性剤の最先端のアミノ酸系洗浄剤も気になってくる。
いい勝負になるのではないだろうか。さらに取材を続けていこう。最高の洗浄剤を見つけるためにも。「育毛物語」 より
常在菌は常に皮膚を守ってくれているガードマンです。
私は最近もそれをすごく感じました。
手についている染毛剤などでも、一日もたたないうちにいつの間にか取れています。
いつもの手に戻っているのですね。
これは常在菌という守り手が、要らないものを食べてくれたんだ~と感謝しています。
身体というものはいつも外界からの危険にさらされていて、こんな助けがなかったらあっという間に病んでしまう。
それを常に健康な状態にしてくれている「働き」が至るところにあるのです。
それだけでも自分は自分に守られているんだなと、いつも思います。
次回は著者と小児科医との対話から「常在菌と皮脂のお話し」続きます。
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