近い将来大きく医療を変えると言われている「再生医療」。
従来の方法では治癒が困難である、様々な疾患についても対応が可能となる、と考えられています。
この「再生医療」で鍵となるのが「幹細胞」です。
現代の幹細胞研究は3通りある
幹細胞は由来とするものが大きく3つあります。
①ES細胞を使ったもの
受精卵 → ES細胞 = 倫理的な問題
②ips細胞を使ったもの
受精卵を使わずに、体内の繊維芽細胞などを採取し、遺伝子操作をすることで人工的に多様性の幹細胞を作り出すことに成功したもの。
(山中博士がノーベル賞を受賞した)
ips細胞(人工多能性幹細胞)は、倫理的問題をクリア
他人の遺伝子移植されることに対する抵抗反応を回避できる
↑再生医療の現実化を推し進めると期待されている
③成体幹細胞を使ったもの
私達の身体の中には腹部や太ももなどたくさんの「幹細胞」が存在します。
↓
身体に存在する「複能性」の成体幹細胞を使った再生医療→私たちの成体幹細胞を分離して使う
例:スポーツ選手などの膝軟骨再生手術、乳がんなどでの乳房再建手術等
以上それぞれの「幹細胞」には、特色があります。
それを見ていきましょう。
再生医療のそれぞれの幹細胞による違いとは
ES細胞 受精卵を用いる 遺伝子の問題あり
ips細胞 受精卵を用いない 遺伝子の問題あり
成体由来幹細胞 受精卵を用いない 遺伝子の問題はない 成体適合性が高い
ES細胞にはいずれ生命となる受精卵が使われているので、倫理的な問題がつきまといます。
また特定の人の情報(遺伝子)を含むので、そこから分化誘導し作り出した組織を他人に移植した場合、臓器移植のような抵抗反応が出ることが懸念されています。
ips細胞は私たち自身が持つ細胞から作り出すことが出来ます。
また他人の遺伝子が入ることもないので、抵抗反応の問題もないとされています。
しかし、遺伝子操作の工程を必要とするため、安全性に関しては長い年月をかけて実証していく必要があります。
成体幹細胞をは身体の様々な個所に存在し、皮下脂肪などにも多く含まれます。
また成体幹細胞をを用いた再生医療は、自分の細胞そのものを用いるため、生体適合性が高いのです。
幹細胞培養液―再生医療によるもう1つの実用化されたもの
以上の幹細胞は使わず、幹細胞培養時の分泌成分を再生医療に使われています。
それが成体由来の「幹細胞培養液」です。
「幹細胞培養液」自体には幹細胞は入っていませんので、倫理的な問題はありません。
また培養する際に、幹細胞自体が分泌する成分を大量に含んでいるので、一般的な細胞を培養しそれほど栄養成分を多く含まないものとは違います。
幹細胞培養液についてはこちらをどうぞ
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